キッチンの水トラブル回避!
排水口の詰まりの正体
どうしても油っぽいものを洗わざるを得ないキッチン。
家の排水口の中でも詰まりやすさナンバーワンです。
毎日油を流さないよう気を使っていても、いつの間にか流れが悪くなっていることが多い厄介な場所です。
この詰まりの原因は、主に油分と洗剤が結合してできた「酸性石鹸」です。
酸性石鹸――聞き慣れない言葉ですが身近な例で説明すると、ひき肉をこねた後、石鹸で洗ったにも関わらず手の平に残るヌルヌルの汚れ。あれが酸性石鹸です。
粘り気のある灰色の汚れで排水管にべったり貼りつき、年数を経て溜まることにより詰まりを引き起こします。
「油を流さない」「小まめな掃除」が予防の基本
キッチンの排水口の詰まりを予防するためには、酸性石鹸の発生を抑えることが大切になります。
それはとにかく洗う前にお皿の油の拭き取りを徹底すること。
マヨネーズやカレーの残りなど油っぽい食べ残しは、新聞紙やスクレーパー(シリコン製のヘラ)できちんと取り除いてから洗って下さい。面倒だからと小さな野菜くずを流すのも止めましょう。
また洗剤の量が足りないと、酸性石鹸がかえって残ります。洗剤はしっかり使って下さい。
皿洗いを終えたら、最後に60度くらいのお湯を流すのも排水口詰まりの予防効果が高いです。
毎日発生する酸性石鹸の汚れが、まだ柔らかく少ないうちに溶かしてしまおうということです。
ただし「良く落ちるだろう」と熱湯を流すのはタブーです。熱湯は配管に使われる塩化ビニル樹脂を傷めます。流さないで下さい。
シンクや排水口入り口のゴミ受けカゴの小まめな掃除も、排水管の詰まりの予防につながります。
毎日皿洗いのついでに軽く洗剤で洗うのがお勧めです。
汚れが付着しやすい排水トラップの掃除も、定期的に行うと良いでしょう。
排水トラップとは排水管の一部に水をため(封水)、下水から臭いや虫が侵入してくるのを防ぐ仕組みのことです。
Sトラップなど、いくつかタイプがありますが、キッチンでは椀型トラップ(ベルトラップ)が使われていることが多いです。
排水口のゴミ受けカゴを外すと、下にお椀を伏せたようなものがあり、これが椀型トラップです。
引き抜いて洗剤でぬめりを洗い流しましょう。裏側も忘れずに!
戻す時はツメの位置に注意して固定して下さい。セットが甘いと流水音がゴボゴボする原因となります。
詰まった時の対応方法
流れが悪いのに気づいた時は、家庭用のパイプクリーナーを使えば改善します。
コツは流れの悪さに気付き次第、早めに使うことです。まだ汚れが柔らかいうちなら、それだけ改善する可能性が高まります。
排水管が詰まる前には「吸い込みが遅い」「ゴボゴボ音がする」など必ず前触れがあります。
放っておいても改善することはありません。汚れが固くなってからでは家庭用のパイプクリーナーが効かなくなり、かえって逆効果になることも…。そうなる前に対処しましょう!
それでも詰まらせてしまったら、解消にはラバーカップ(通称スッポン)が一番効果的です。
ラバーカップとは柄の先に半球状のゴムのカップがついた道具です。
カップ部分を排水口に被せ、「ゆっくり押す・一気に引き抜く」を繰り返すことにより、排水管内部に水圧をかけ、詰まりを崩します。
使う際はカップ部分が水に漬かっている必要があるので、シンクに溜まっている水が少ない場合は水を足し、水位を上げて下さい。
かなりしぶきが飛ぶので、周囲をビニールシートでカバーした方が良いでしょう。
ただし詰まりの原因が、うっかり流したフォークや調味料のキャップなど固形物の場合、ラバーカップを使うと奥に流れ、かえって詰まりを悪化させる危険があります。
排水トラップを分解して、落とした物を回収して下さい。
以上のことを試しても詰りが改善しない場合、ワイヤー式パイプクリーナーで掃除する方法も考えられます。
しかし扱いが難しく、内部を傷つける恐れがあるので専門業者に任せるのが安全です。
お困りの際は、ぜひご相談ください!